「美容室に行く時間がなくて、つい市販の白髪染めで済ませてしまう」「自分で染めたら、毛先がゴワゴワになってしまった」と感じていませんか。40代50代になると、白髪が伸びるスピードと、美容室に行ける回数が合わなくなってきます。
- すぐに目立つ根元の白髪
- 重なる美容室の予約と予定
- 自分で染めたあとの手触り
- 染めるたびに気になる地肌の色
市販の白髪染めを使うこと自体が悪いわけではありません。ただ、使い方を知らないまま続けると、数年後の髪と頭皮に差が出てきてしまうのです。

本当は美容室で染めたいけれど、時間もお金も足りなくて…。

その気持ち、よくわかります。使うなら、気をつけるところを押さえておきましょう。
この記事では、美容師の視点から市販の白髪染めで起こりやすいことと、使う前の注意点、自分で染めるときのコツを紹介します。美容室に行くときに伝えてほしいこともまとめたので、次に染める前に読んでみてください。
市販の白髪染めを選ぶ理由

市販の白髪染めを使う方には、それぞれの事情があります。まずは、市販を選ぶ理由そのものを責めないことから始めましょう。無理に美容室だけにしようとすると、白髪を我慢する時間が長くなってしまうからです。
ここでは、40代50代の方が市販の白髪染めを選びやすい3つの理由を挙げてみます。当てはまるものがあれば、そのうえで気をつけたいポイントを次の章から見ていきましょう。自分の状況に合った付き合い方が見つかるはずです。
美容室に行く時間がとれない
40代50代は、自分のための時間をつくりにくい年代です。
仕事に家のこと、お子さんやご家族の予定が重なると、美容室の2時間をなかなか確保できません。予約の日まで白髪が待ってくれないのが、いちばんの悩みでしょう。
そんなときに、家で染められる市販の白髪染めは心強い存在です。
染める費用を抑えたい
白髪染めは一度きりではなく、これからずっと続いていくものです。
1か月半に1回のペースで美容室に通うとなると、年間ではまとまった金額になります。回数を重ねるほど、費用が気になってくるのは自然なことです。
美容室と市販を組み合わせて、うまく調整している方も少なくありません。
伸びた根元だけすぐ隠したい
「次の予約まで、根元だけなんとかしたい」という声もよく聞きます。
白髪は分け目や生え際から目立ってくるため、鏡を見るたびに気になってしまいます。急な予定が入ったときほど、すぐに染めたくなるものでしょう。
染める間隔の考え方は、白髪染めの頻度の記事でもくわしく紹介しています。
市販の白髪染めで起こりやすいこと

サロンで、市販の白髪染めを続けてきた方の髪を見ていると、似たような変化が起きていることが多いと感じます。自分では気づきにくく、美容室で指摘されて初めて知る方も多いでしょう。
ここでは、よく見かける3つの変化を紹介します。今の自分の髪や頭皮に当てはまっていないか、確かめながら読んでみてください。早めに気づけば、染め方を変えることで防げるものもあるのです。心当たりがあっても、今日からの染め方で変えていけます。
ごわごわになる髪の手触り
いちばん多いのが、髪のごわつきです。
市販の白髪染めは、誰でも染まるように作られています。そのぶん髪への負担も大きくなりやすく、くり返すうちにダメージが重なっていくのです。手触りが硬くごわごわしてきたら、髪からのサインと考えてください。
染める回数や塗る範囲を見直すだけでも、これ以上の負担は減らせます。
赤茶色になる頭皮
頭皮の色が変わってくることもあります。
自分で塗ると、どうしてもカラー剤が地肌につきやすくなるものです。染める回数が多い方の頭皮を見ると、赤茶色っぽくなっていることがあるのです。頭皮の色は自分では見えないため、気づかないまま続けてしまいがちでしょう。
美容室に行ったときに、頭皮の状態を見てもらうと安心です。
染まりムラと思っていた色との違い
仕上がりがイメージと違うのも、よくあることです。
後ろや内側は鏡で見えにくいため、塗れていない部分が出てきます。その結果、染まりムラになったり、希望の明るさや色味にならなかったりすることがあるのです。
色の選び方そのものに迷っている方は、白髪染めとファッションカラーの記事も参考になるでしょう。
使う前に知っておきたい注意点

市販の白髪染めを使うなら、使う前に確認しておきたいことが4つあります。どれも箱の説明書に書かれていますが、慣れてくるほど読み飛ばしてしまいがちです。
ここでは、特に大切な4つの確認事項をまとめました。年齢を重ねるほど髪も頭皮もデリケートになるため、若い頃と同じ感覚で使わないことが大切になります。染める前に、ひとつずつ確かめてみてください。ひと手間に見えても、あとから髪と頭皮を守ってくれます。
毎回のパッチテスト
染める前には、毎回パッチテストをしてください。
前回は平気だったからといって、次も大丈夫とは限りません。体調や年齢によって、ある日突然反応が出ることもあるからです。説明書のとおりに、染める48時間前に腕の内側などで試しておきましょう。
赤みやかゆみが出た場合は、その商品を使わず、皮膚科に相談してください。
放置時間を必ず守る
放置時間は、説明書に書かれた時間を必ず守りましょう。
「長く置いたほうがしっかり染まりそう」と思われがちですが、置きすぎても染まりがよくなるわけではありません。時間を延ばすほど、髪と頭皮の負担だけが増えてしまうのです。
タイマーをセットして、時間になったらすぐに流すようにしてください。
毛先まで薬剤を伸ばさない
カラー剤を、毛先まで伸ばさないようにしましょう。
毛先はこれまでに何度も染まっている部分です。毎回そこまで塗ると、色が重なって暗くなり、手触りも硬くなっていきます。すでに染まっている毛先には、あらためて塗らないのが基本です。
余った薬剤を全体になじませるのも、できれば避けたいところです。
間隔は最低1か月あける
自分で染める場合も、間隔は最低1か月あけてください。
白髪が気になると、2〜3週間で染めたくなることもあるでしょう。ただ、短い間隔で染め続けると、頭皮が休む時間がないまま負担だけが重なっていきます。
市販の白髪染めは、あくまで急ぎのときの手段として考えておくと安心です。
それでも自分で染めるときのコツ

注意点を踏まえたうえで自分で染めるなら、塗る順番と塗る範囲を意識するだけで仕上がりが変わります。全体をきれいに染めようとするより、伸びた部分をていねいに塗るほうが失敗しにくいからです。
ここでは、サロンでお客様にお伝えしている3つのコツを紹介します。どれも特別な道具はいりません。次に染めるときから取り入れてみてください。仕上がりが変われば、染める時間そのものも楽になるはずです。

塗りにくいところから塗り始める
塗り始めるのは、自分では塗りにくい場所からです。
後頭部やえり足は、鏡で見えにくく時間もかかります。先に見えるところから塗ってしまうと、塗りにくい場所を塗るころには時間が足りなくなってしまうのです。塗りにくいところから始めると、染まり方がそろいやすくなります。
分け目や生え際など、目立つ場所は最後に回しても間に合います。
なるべく伸びた分だけを塗る
塗る範囲は、なるべく伸びた分だけにしましょう。
新しく伸びた根元だけを塗れば、毛先に薬剤が重なりません。塗る範囲をしぼることが、髪を守るいちばんの近道です。鏡を2枚使うと、後ろの根元も確かめやすくなります。
全体の色が気になってきたら、そのときは美容室で相談してみてください。染めたあとのシャンプーについては、白髪染めのあとのシャンプーの記事で紹介しています。
部分染めしやすいテクスチャー選び
商品を選ぶときは、部分染めのしやすさで選ぶのがおすすめです。
根元だけを塗るには、狙った場所に置けるかたさのものが向いています。液がたれにくく、塗りたい場所にとどまってくれるテクスチャーを選びましょう。
使ってみて塗りにくいと感じたら、次は違うタイプを試してみてください。
美容室に行くときに伝えること

市販の白髪染めを使ったあとに美容室へ行くときは、そのことを先に伝えておくのが大切です。髪に残っている色の状態によって、その日にできることが変わってくるからです。
言いにくいと感じる方もいますが、美容師は責めるために聞いているわけではありません。今の髪に合う方法を選ぶために知っておきたいだけです。ここでは、伝えてほしいことと、美容室でできることを紹介します。先に伝えるほど、その日の仕上がりも決めやすくなるものです。

市販で染めたことを先に伝える
カウンセリングでは、自分で染めたことを正直に伝えてください。
いつごろ、どのくらいの範囲を染めたかがわかると、薬剤の選び方も変わります。市販で染めた髪は染まりムラになりやすく、仕上がりが読みにくいためです。
使った商品の箱を写真に撮っておくと、伝えるときに役立ちます。何をどう伝えればいいかは、市販の白髪染めを美容室に伝えるときの記事でくわしく紹介しています。
明るく染めるのは難しい
市販の白髪染めをくり返した髪を明るくするのは、簡単ではありません。
毛先に色素が何度も重なっているため、思ったとおりの明るさや色味にならない場合があるのです。無理に明るくしようとすると、強い薬剤が必要になり、髪への負担も大きくなってしまいます。
どこまで明るくできそうかは、髪を見てもらったうえで相談しましょう。
暗く染めることはできる
一方で、暗く染めることはできます。
今より落ち着いた色にそろえたい場合は、比較的合わせやすいといえます。まずは暗めで色をそろえ、時間をかけて明るくしていくという進め方もあるのです。
少しずつ整えていけば、無理なく好みの髪色に近づけていけるでしょう。
市販の白髪染めのよくある質問

ここでは、市販の白髪染めについて気になりやすい疑問をまとめました。使う前や、染めたあとに不安になったときの参考にしてください。
髪や頭皮の状態は人によって違うため、ここでの答えがすべての方に当てはまるとは限りません。迷ったときは、自己判断で続けずに美容師や医療機関に相談すると安心です。気になる質問から読み進めてみてください。染めたあとの不安も、ここで整理できるはずです。
【Q1】泡タイプは使ってもいいか
泡タイプを使う場合は、根元だけを塗りにくい点を知っておきましょう。
泡タイプは全体になじませやすい一方で、伸びた根元だけを狙って塗るのには向かないことがあります。毎回全体に広がると、毛先に色が重なりやすくなるのです。
根元を中心に染めたい方は、部分染めしやすいかたさのものを選んでみてください。白髪染めトリートメントや白髪染めシャンプーとの違いは、白髪染めトリートメントの記事で紹介しています。
【Q2】頭皮が茶色くなったとき
地肌が茶色くなっているときは、頭皮に負担がかかっているサインと考えてください。
次に染めるまでの間隔をあけて、頭皮を休ませることを優先しましょう。かゆみや赤み、じゅくじゅくした状態があるときは、医療機関で診てもらうことをおすすめします。
頭皮のかゆみや乾燥が続く方は、頭皮のかゆみと乾燥の記事もあわせてご覧ください。
【Q3】毛先が黒くごわつくとき
毛先が黒く硬くなってきたときは、色素が何度も重なっていることが考えられます。
この状態からすぐに明るくするのは難しいため、伸びた部分だけを染めるようにして、それ以上重ねないことが先決です。気になる毛先は、少しずつ切っていくと手触りも変わっていきます。
カットとカラーの進め方は、美容室で相談しながら決めていきましょう。
【Q4】染めているときにしみるとき
染めている途中でしみると感じたら、がまんせずに洗い流してください。
しみるのは、頭皮が敏感になっているサインとも考えられます。次からは市販での使用を控えて、美容室で相談するほうが安心です。しみたときの対処は、白髪染めで頭皮がしみる・かゆいときの記事でまとめています。
赤みや痛みが続くときは、早めに皮膚科を受診してください。
【Q5】美容室の予約前に自分で染めてもいいか
美容室の予約が近いなら、自分で染めずに待つのがおすすめです。
直前に染めると、当日の仕上がりの読みにくさが増してしまいます。予約まで日があるときだけ、根元をしのぐ手段として使うと考えておきましょう。
どうしても気になるときは、洗えば落とせる白髪隠しでしのぐ方法もあります。
市販の白髪染めの使い方まとめ

市販の白髪染めは、上手に使えば忙しい毎日の助けになります。大切なのは、塗る範囲と間隔を守り、急ぎのときの手段として使うことです。
- 時間や費用から市販を選ぶ理由
- ごわつきや赤茶色の頭皮という変化
- 毎回のパッチテストと放置時間の厳守
- 伸びた分だけを塗る塗り方
- 美容室では暗くできるが明るくは難しいこと
次に染めるときは、塗りにくいところから、伸びた分だけをていねいに塗ってみてください。それだけでも、数年後の髪の手触りは変わってきます。
「自分の染め方で合っているか不安」「今の髪をこれからどうしていきたいか迷っている」という方は、美容師に相談してみませんか。今の髪と頭皮の状態を見てもらいながら、無理のない続け方を一緒に考えていきましょう。


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